A01
水野班
研究代表者
水野 操(大阪大学)
所属・研究室
大阪大学大学院理学研究科化学専攻 生物物理化学研究室
http://www.chem.sci.osaka-u.ac.jp/lab/mizutani/index-jp.html
研究内容
細胞応答において、熱は温度感受性タンパク質を作動させる情報として働きます。本研究では、外部から入力した光エネルギーを熱シグナルに変換し、分子ヒーターとして働くタンパク質(タンパク質ヒーター)により熱の制御を行います。そのために、ピコ秒時間分解共鳴アンチストークスラマン分光法により、タンパク質ヒーターにおけるアミノ酸残基単位の熱の流れを観測します。得られた熱伝導機構を基盤として、熱伝導に関与する構造因子を最適化した光熱変換タンパク質ヒーターを作製します。タンパク質ヒーターと温度感受性タンパク質の合理的なカップリングにより、従来の細胞加熱技術と比べて、高い効率および空間選択性を持った革新的な細胞操作技術を創出します。
A01
今村班
研究代表者
今村 博臣(京都大学)
所属・研究室
京都大学生命科学研究科高次生体統御学分野
https://sites.google.com/kyoto-u.ac.jp/hiromi-imamura
研究内容
指向性進化法を用いて光熱変換効率に優れた新しいタンパク質ヒーターを開発し、細胞内の狙った分子や微小環境の温度を特異的に変化させる手法を確立します。更に、タンパク質ヒーターを組み込んだ新しいツールを創出することにより、局所的な温度変化を介した分子・細胞制御法を開発することを目指します。本手法により、侵襲性の低い生体深部操作が可能になることが期待されます。
A02
井上班
研究代表者
井上 圭一(東京大学)
所属・研究室
東京大学物性研究所 井上研究室
https://inoue.issp.u-tokyo.ac.jp/
研究内容
巨大径ポアを持つ、超音波や磁場に高感度で応答し、大量のイオンを輸送するレシーバ分子開発を行います。さらに領域内連携などを通じて、生体内での超音波・磁場操作に最適な低物理エネルギーロジスティクス法の開発を協同して行い、その知見をもとに分子デザインをより最適化します。これにより遺伝学的に体深部の神経操作が可能となるだけでなく、超音波や磁場といった外場に対してタンパク質がどの様に応答するのか、その理解に向けた新たな学問分野の開拓につながると期待されます。
A03
中川班
研究代表者
中川 桂一(東京大学)
所属・研究室
東京大学大学院工学系研究科精密工学専攻・バイオエンジニアリング専攻 医用精密工学研究室
http://www.bmpe.t.u-tokyo.ac.jp/
研究分担者
関野 正樹(東京大学)
所属・研究室
東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻・バイオエンジニアリング専攻 関野研究室
http://www.bee.t.u-tokyo.ac.jp/index_j.html
研究内容
本研究では、物理エネルギーに応答する分子を介した生体深部の非侵襲的操作・治療を実現するため、物理エネルギーによる生体操作を統合的に捉えた概念「低物理エネルギーロジスティクス」を提唱し、生体深部へ様々な物理エネルギーを届ける手法を開発します。光・音波・磁場・熱を自在にコントロールし、組織の深部に非侵襲的に物理エネルギーを届けるとともに、分子および生体と物理エネルギーとの相互作用を探ります。物理エネルギーをまたぐ理解と発想、戦略と新技術により、従来法の限界を超えた生体深部への物理エネルギー送達と分子操作の実現を目指します。
生体分子工学と低物理エネルギーロジスティックスの融合による
次世代非侵襲深部生体操作